クルマは車高調などのローダウンサスでグッと車高を下げるとルックスは向上しますが、色々と弊害が出るのも事実です。特にタイヤとフェンダーの干渉は避けられず、もし太いタイヤを履くのであれば、フェンダーカット&オーバーフェンダーは必須でしょう。そこで大胆にフェンダーをカットしたところ……ゲッやっちまった! な事件が発生してしまったのです。
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オーバーフェンダーはフィッティングから楽しい
日本に帰る度にZのパーツを持ち帰るようにしています。今回はオーバーフェンダーをプチプチでグルグル巻きにして預け荷物へ。
以前同じように未塗装のオーバーフェンダーを飛行機に預けようとした人がチェックインカウンターで、「象牙はワシントン条約により輸出が禁止されています」と言われたとか、言われなかったとか。念のため「自動車用のパーツです」と伝えました。
Zのフェンダーにマスキングテープを貼り、フェンダーをフィッティングします。これが一番楽しい作業です。完成図を頭に描きながら、もうちょっと前かな上かな、などと合わせて見たり、引いて見たり。マスキングテープを貼っておけばあーだこーだとオーバーフェンダーをガチャガチャぶつけてもZのボディにはキズが付かないし、マジックで位置を記すことも可能です。
それにしてもさすがはスターロードのオーバーフェンダー。適当に合わせただけで、だいたいの位置がぴたりと合っちゃう精度の高さ。張り出し具合や曲線のデザインもいい感じです。
スターロード製FRPオーバーフェンダー 定価3万2000円(税別)
オーバーフェンダーのアーチの頂点から上方にマスキングテープを伸ばして長さを測り、左右の位置が同じになるよう正確を期します。
うん、やっぱりいい感じ。
始めてのフェンダーカットは失敗の連続
オーバーフェンダーのセットアップなんて慣れたもの。これまでに何十枚のフェンダーを切ってきたことか。と、ここまではまるでエキスパートのようにすんなりと事を運ばせてきた私とジョーショーオートのトモさん。しかし、ワタクシ、実を言うとクルマにオーバーフェンダーを付けるのはこれが初めてなのです。
今まで散々カーカスタムを楽しんできましたが、全てはアメ車。しかも旧車ばかり。旧いアメ車のカスタムでオーバーフェンダーを付けたり、フェンダーをカットすることはまず、ないのです。
想像してみて下さい。’60年代のアメ車はド・ノーマルを真ん前から見ると、細いタイヤが極端に内側にセットされていますよね。まるで電車のようなスタイル。ボディに対してトレッドがかなり狭いのです。つまり、車高を下げて多少太いタイヤを履かせたところで、ギリギリでフェンダーに当たらないのです。もし当たるようならエアサスを付けてプシュッと上げちゃえばいい。
「え〜〜、そうなの!? ハヤシさん、今まで切ったことないの!!」と驚くトモさんでした。
その表情にはさも「シロートめ」と言わんばかりのドヤ顔が浮かんでいる……と思いきや、逆に不安げにこう続けるではありませんか。
「困ったなぁ、ボクもやったことないよぉ」
……マジか。
ここまで来て途方に暮れる2人です。
でも結論はひとつ。
取り敢えず切ればいいんじゃないの?
だよね。
エアーソーのノコギリを手にするトモさんでした。
フェンダーはただ切ってはダメ
後にその道のプロから聞いたりネットで調べたところ、本来はアウターフェンダーを適正位置でカットしたら、内側はそれよりも長めに残して切り、長い内側を外側のフェンダーに折り込んで溶接するようです。使う道具はグラインダー。これだと奥のインナーに触らずアウターだけを切ることができます。
しかし私たちが使用したのはエアーソー・ノコギリ。コイツでインナーもろとも一気にカットです!
ウォリァ〜!ガガガガガッ!
腰の入ったいい切りっぷり。
豪快にコード類も真っ二つ! 右はテールランプの配線を(涙)!
左はラジオのアンテナコードを(涙)!!
そして切り取られた残骸がこちら。
はい。当然のことながら口がぱっくりと開いています。
内側から折りたたもうにも、同じ長さで切ってしまったから寄せることが出来ません。
ヤバッ、どうしましょ。
また途方に暮れる2人でした。