S30Zブッシュ交換!(フロント編)  ブッシュは出来るだけ純正で揃えるのが理想的!?

純正の4MTから1981年式280ZX(S130系)の5MTへ載せ替えるにあたり、リフトアップしてみたら各ブッシュの劣化が目立ちました。走るとフラフラする、ステアリングの反応が遅いといった症状はこの辺が原因でしょう。全体的にヤレているのであれば、パッと見目立つところだけを取り替えても根本的な改善にはつながりません。

全部交換しましょう!

目次

フロントセクション

フロントサスペンションまわりで私のS30Zが交換したブッシュ類は下記の通りです。

ついでに経年劣化が心配されるパーツもリフレッシュしました。

特にノーマルのS30系を購入するときはタイロッドエンドの交換は必須と聞きます。

A:タイロッドエンド(MOOG 品番 ES2110R 運転席側)×1

                              (MOOG 品番 ES2109R 助手席側)×1

B:スタビライザーブッシュ・アウター(純正品番 56112-V0100)×8

C:スタビライザーブッシュ・インナー(純正品番 54617-21002)×2

D:リンクブッシュ(純正品番54535-E4100)×2

E:ラック&ピニオンブッシュ(エナジーサスペンション 品番7.10102G)×1

F:ステアリングラックブーツ(MOOG 品番K9882)×1

G:テンションロッド(スターロード S30Z 前期・後期)

H:ロアボールジョイント(MOOG 品番 K9011)

純正が手に入るモノは純正で統一し、すでに廃番のモノはMOOGのようなOEMクオリティのパーツメーカーの製品です。中でもアメリカのMOOGは市販車用だけでなくNASCARのサスペンションも手がけていて、信頼性はバツグン。NASCARでは下位のクラスからトップカテゴリーのCupシリーズまで、全てのクラスでMOOGを採用しています。

これはNASCAR K&N Proシリーズに2018年フル参戦している唯一の日本人ドライバーとして注目を集める古賀琢麻氏の#11シボレーSS。私はオフィシャルカメラマンとして約20年に渡り彼のレースに同行しています。

日常で快適に乗るならラバーブッシュ

ブッシュ交換で最も手っ取り早いのがウレタン製の採用でしょう。ウレタンブッシュの老舗メーカー、エナジーサスペンションでもS30Z用はキット化されていますし、他のメーカーやショップでもオリジナルでS30Zに適したセットがリリースされています。私も旧いアメ車に乗っている時は必ずエナジーのウレタンに取り替えていました。ブワンブワンなアメ車の足がシャキッとします。

ただしS30Zに関しては純正のラバー製をチョイス。廃盤の箇所や一部にのみウレタンを使うことにしました。

理由は、いつもお世話になっている旧車のスペシャリスト、スターロードの井上氏の言葉。

「サーキットを走るなら別だけど、ガチガチにしたくないのでうちの作るクルマは純正がメイン」

スターロードのデモカーは何度も取材で乗ったことがありますが、まぁよく出来ている。「ストリート仕様は快適性を重視してロールケージを組まない」のが井上氏のポリシーですが、補強の入れ方が上手いから剛性がめちゃくちゃ高く、室内は静か。足回りはしなやかでビックリするほど速いのです。

あれに乗っちゃうと、ガチガチは避けたいかなと。

またアメリカのZのフォーラムでも「ストリートユースならラバーが理想だ」という会話が頻繁に出てきます。大きくて重くて、元々ソフトな足のアメ車にはピッタリですが、コンパクトで軽いクルマには強すぎるケースがあるのかも知れません。

もちろん、ホンキ走りの方には最適です。

S30Zフロントブッシュその他一覧

A:タイロッドエンド

MOOG 品番 ES2110R 運転席側 ×1

MOOG 品番 ES2109R 助手席側 ×1

左右で品番が違います。

運転席側が$28.98

助手席側が$26.96

Amazonで購入。

Before

After

B:スタビライザーブッシュ・アウター

純正品番 56112-V0100 ×8

通称、ダンゴだそうです。

コネクティングロッドやワッシャは再利用しました。

ブッシュは片側4個、左右で8個使用。

C:スタビライザーブッシュ・インナー

純正品番 54617-21002 ×2

こちらは通称、カマボコ。

パッと見は分かりませんが、新品です。

D:リンクブッシュ

純正品番 54535-E4100 ×2

ロアアームの支点の部分になります。

E:ラック&ピニオンブッシュ

エナジーサスペンション 品番 7.10102G ×1

4つのブッシュが1セットになっています。日本では純正がまだ手に入るようなハナシを聞いたことがありますが、アメリカでは入手不可能。

ラック&ピニオンを押さえているパーツで、ハンドリングのダルさの大きな要因のひとつになります。ステアリングを切っても反応が鈍く、いわゆる「泳ぐ」感じになってしまう。

交換前の写真を取り忘れましたが、グズグズに裂けていました。

クイックなレスポンスが欲しければ純正よりもむしろウレタンがいいでしょう。

Amazonで$22.31

F:ステアリングラックブーツ

MOOG 品番 K9882 ×1

Before

After

このブーツは汎用品でS30Z専用というわけではありませんが問題なく装着できました。

2個入り1セット。Amazonで$16.32

G:テンションロッド

旧車専門チューナー、スターロード製ピロボールテンションロッド×2

こちらもハンドリングの向上には欠かせないパーツです。ウレタンブッシュやピロ足をあまり好まないスターロードの井上氏も、「テンションロッドはピロがいい」とおすすめ。

ステアリングのレスポンスが格段に良くなると共に、ブレーキング時のタイヤのブレを抑えます。ターンバックル式なのでキャスター角の微妙な調整も簡単。

定価3万5000円(2本セット・税別)

H:ロアボールジョイント

MOOG 品番 K9011 ×2

箱を開けたら、何と“MADE IN JAPAN”の文字が! 嬉しい!!

Amazonにて1個 $34.78

フロントブッシュ交換完了!

フロントセクション完成です!

早く運転したい!

けど、まだまだ作業はこれからが本番。

リア編に続きます。