キャブレターをオーバーホールして無事にエンジンがかかることを確認したZ1000Mk2(動画)。ここで弾みを付けて一気に各部を直していきましょう。
現車は1979年式カワサキZ1000Mk2 A3A。約40年前の旧車であるうえに直近10年は不動車でした。まずは普段使いできるレベルに戻すことを優先します。
あれよあれよと身ぐるみ剥がされ
イヤ〜ン恥ずかしい♡
目次
サビたパーツをパウダーコート
バラすと、より顕著に現れてしまったヤレ具合。本来は黒いパーツが40年の時を経てくすみ、錆び、しらっちゃけています。これらを黒光りさせるだけで少しは精気が戻ると期待しましょう。劣化の激しいパーツに強度、耐候性、防錆性の高いパウダーコーティングを施すことにしました。
左からスイングアーム、リアキャリパーを支えるトルクロッド、トップブリッジ、センタースタンド、リアブレーキキャリパー、フロントブレーキキャリパー×2、サイドスタンド、ハンドルクランプ×2、ブレーキマスターシリンダー&クランプ、フロントステップ×2。
全米トップのクチコミサイトyelpにて評価5のパウダーコート屋さんを近くに見つけました。
PRIMO Powder Coating & Sand Blasting
クルマやバイクのパーツを得意としています。
ただし持ち込む前に自分でマスキング。もちろんパウダーコート用の耐熱テープではないので現場で剥がされます。また、あちらもプロだから塗ったらいけない箇所を承知しているはず。しかし“はっきり言わないと伝わらない。伝えなかった前が悪い”と平気で言ってくるのがアメリカ人。余計な所をサンドブラストされたり、塗られて困る場所は口で説明すると共に証拠としてマスキングを施してトラブルを事前回避します。
サンドブラスト&パウダーコーティング=$325.00。
とぅるとぅるテカテカになって、お帰りなさい!
ブレーキ オーバーホール
レストアの最初の一歩はブレーキのオーバーホール。私のように峠をガンガン攻めるわけでもサーキットを走るわけでもない人間にとって、Z1000Mk2の純正ブレーキはストリートで十分に“効く”そうです。
ただ、ちょっとだけ色気を出して、ブレーキホースはステンメッシュにアップデート。クルマもそうですがホースをステンに換えるだけでノーマルブレーキでもタッチと効きがかなりアップしますよね。
Z1000Mk2フロントブレーキ 交換パーツまとめ
■K&Lサプライ・マスターシリンダー・リビルトキット ×1個
品番 32-8052 $30.20(eBay)
■K&Lサプライ・ブレーキキャリパー・リビルトキット ×2個
品番 32-1289 $28.19 ×2(eBay)
■ACパフォーマンスライン・ボルトオンブレーキホースキット ×1個
品番 32271060 定価¥11,000
■DAYTONA赤パッド ×2個
品番 79866 定価¥4,900 ×2
■PMC Z750/MK-S/Z1R純正タイプ・ハンドルレバー・ブレーキ ×1個
品番 81-5124 定価¥1,000
ブレーキラインの今後の課題につて
Z1000Mk2のフロントブレーキのラインシステムを図で表すとこのようになります。
マスターシリンダーから1本のホースがヘッドライト下のご覧のような3ウェイジョイント(正確には油圧ライトスイッチにも繋がるので4ウェイ)に伸び、ここから2又に別れて左右それぞれのキャリパーに2本のホースが伸びる仕組みです。
しかし私がチョイスしたACパフォーマンスライン・ボルトオンブレーキホースキットはご覧の通り。
マスターシリンダーから直接2本のホースが左右のキャリパーにダイレクトに繋がります。
Webikeで見つけた時は少し興奮しました。ちょうど黒いステンメッシュを探していたからです。おまけに価格もリーズナブル。装着は一切の加工を必要としないボルトオンタイプ。ダイレクトだからメンテナンスも楽そうだし、ジョイントを介さないので余計な不具合も少なかろう、と。
気になる箇所をあげるとすれば、バンジョーのお団子が2つ並び、タコメーター上で激しく主張することくらいでしょうか。
これも慣れれば気になりません。
商品自体はとても気に入っています。
しかしこのブログを書いていて、今、ふと気が付きました。
あれ? そういえばブレーキランプと連動してないんじゃ……。
※この記事を書いているのはOHが終わってからです。
上の3ウェイジョイントの赤丸部分は油圧を感知してブレーキランプを点灯させるスイッチです。でもご覧のように私のZ1000Mk2は3ウェイジョイントを一切無視してマスターシリンダーからキャリパーにダイレクトにホースを繋げています。
はい、たった今バイクで確認しました。ブレーキレバーを握ってもブレーキランプは点きません。
今までな〜んも気にせずに乗っていました。大馬鹿者。危ない危ない。
解決策はマスターシリンダーに後付けのスイッチを付けるか、スイッチ付きの社外マスターシリンダーに取り替えるか、ホースを一新して3ウェイジョイントを介す純正方式に戻す……でしょうか?
で、今、またまたふと気になりました。リアブレーキは大丈夫だよなぁ……。
ソッコーで調べました。
……リアも点きませんでした。
リアはフットペダルを踏み込むと連結したワイヤーが
スイッチを引っ張り、テールランプを点灯させます。
しかしワイヤーがダルダルに伸びきっていて、踏み込んでもスイッチが引っ張られません。危ない危ない、どころの騒ぎじゃない。
この位置から
ここまで調整したらバッチリ作動するようになりました。でもネジ山に後がない。いずれ対策を考えましょう。
因みにナットの回転が悪かったのでスイッチ本体をペンチでガッツリと挟み込んでグリグリやっていたら、何とスイッチのネジ部分がプラスチック製だと知ることに。強く締めたり挟むとネジ山が壊れるので要注意です。
Z1000Mk2リアブレーキ 交換パーツまとめ
■純正 マスターシリンダー・リビルトキット ×1個
キット内容品番 43072-004×1、43018-002×1、43019-002×1、43024-003×1、43022-002×1、43058-004×1 $85.28
※リアのみ純正パーツキットが販売されていました。
※1979年式A3用。1980年式A4にはマッチしません。
■K&Lサプライ・ブレーキキャリパー・リビルトキット ×2個
品番 32-1335 $20.92 ×1(eBay)
■ACパフォーマンスライン・ボルトオンブレーキホースキット ×1個
品番 32271591 定価¥5,500
■DAYTONA赤パッド ×1個
品番 79862 定価¥4,900
Z1000Mk2メインハーネス交換
旧いカワサキZ系バイクはメインハーネス一式も新品で買えるのが嬉しいですね。しかも意外とリーズナブル。アメリカでは出先で起きるクルマやバイクのトラブルが時として命に関わります。素っ裸にしたついでに引き直しました。
作業をしてくれたジョーショーオートのトモさん曰く、「コードの色も純正と同じなので入れ替えは楽チン」とのことでしたが、私のZ1000Mk2はUS仕様でヘッドライトが常時点灯モデル。スイッチそのものがありません。
加えて配線が劣化でムキ出しになっていたのでPMC(ピーエムシー)製のリプロ品に交換したら、こちらはライトのON/OFFスイッチが付いている。そこで配線を何やらちょこちょこやっていましたが、私はちっともわかっておりません。
同時にヒューズBOXをPAMS(パムス)製ハイパフォーマンスヒューズシステムにアップグレード(こちらはZ1000Mk2純正のガラス管ヒューズBOXを現代的な樹脂製ブレードタイプにアップデート、ノーマルの3系統から7系統にすることで電装の信頼性とメンテナンス性を向上するそうです)し、旧車の必需品と言われるヘッドランプブースターもセット。ハーネス系を新車以上のクオリティにすることで、安心を手に入れました。
ハーネス系交換パーツまとめ
パッケージ内容 Z1000Mk2・FX1用メインハーネスセット+ハイパフォーマンスヒューズシステム 定価¥30,000(税抜)
定価 ¥7,800(税抜)
品番 81-4303 定価¥6,000
Z1000Mk2のセミ・レストアまだまだ続きます。