モントレー モータースポーツ リユニオン 2018 (Rolex Monterey Motorsports Reunion ) Part-2

世界中のエンスージャストたちがカリフォルニアの名門サーキット、ラグナセカを舞台に歴史的遺産でマジバトルを繰り広げる“ロレックス・モータースポーツ・リユニオン”。45年目を迎えた2018年のメインテーマは『NISSAN』でした。ここでは前回ご紹介しきれなかった名車や気になったマシンをご紹介します。

NISSAN 300ZX

耐久レースを制した無敵のZ32

日本のレースシーンではR32GTRが活躍していた頃、アメリカではZ32が猛威を振るった。中でもCCR(クレイトン・カニンガム・レーシング)が製作し、スティーブ・ミレンがドライブした#75はIMSA GTSクラスで連戦連勝を続け、’92年にはミレンがドライバーズチャンピオンを獲得、同時にニッサンはマニュファクチャラータイトルをゲットした。また’94年にはフランスのル・マン24時間レースでクラス優勝(総合5位)し、続いてセブリング12時間でも優勝。同じ年に“スポーツカー3大クラシック耐久レース”の2つを制することで、走る伝説と化したのである。ちなみにもうひとつのデイトナ24時間は#76の300ZXが勝利。この時のドライバーもミレン。つまり300ZXとミレンは3大耐久全てを制覇した。ツインターボを搭載し、国内初の市販車280馬力エンジンとして名を馳せたVG30DTTをベースに800馬力に高めている。’90年のデビュー当初は不安定だったが、すぐさま2by2のロングホイールベースに変更したことで飛躍的な性能アップを実現し、常勝マシンへと成熟。

 

1984 NISSAN 300ZX

ポール・ニューマンの遺産

コメディアン、ラジオパーソナリティ、TVのホスト、俳優、ポッドキャスター、監督などマルチに活躍するアメリカの人気タレント、アダム・カローラがコレクションしている現車は、ポール・ニューマンがSCCAのトランザムレースでドライブしたボブ・シャープ・レーシング製作の1台。1984年から1986年にかけて活躍し、’86年には遂にライム・ロックでチャンピオンシップを勝ち取った(もちろんドライバーはポール・ニューマン)。その後はIMSA GTOクラスなどにもエントリーしたが、成績は振るわず。しかし赤・青・白でお馴染みのボブ・シャープ・レーシングのカラーリングと、トレードマークである#33の番号はファンを大いに沸かせた。300ZX(Z31)のオリジナルのシルエットを残しつつも、チューブフレームにFRP製の超ワイドボディを仮装したフォルムは独特の形状を作り出している。エンジンはV6・3.0ℓのVG30ETをベースにチューンを加えたもの。

 

1970 DATSUN 240Z

栄光のカラーリングと永遠の#46

ジョン・モートンがドライブし、1970年、’71年とSCCA Cプロダクションで2連覇を成し遂げた、BREのレジェンダリー・カー。ニッサンのL型エンジンといえば今では1000通り以上のチューニング方法があると言われるほど成熟したエンジンだが、アメリカでいち早くL型のポテンシャルに目を付けたのがピート・ブロック率いるBREだった。因みにBRE with ジョン・モートンがコンビネーションを組んだこのマシンがあまりにも速く勝ち過ぎため、SCCAは急遽レギュレーションを変更、BREがレース界から去るきっかけをもたらした。現車は現在ドライサンプ式のL28エンジンが積まれ、キャブレターにはソレックスの44φがセットされている。タコメーターは上下逆さまに取り付けられ、スピードメーターがあった位置には油圧計がセットされている。

 

1970 DATSUN 240Z

Zの知名度UPに貢献した有力プライベーター

BRE(ブロック・レーシング・エンタープライゼス)は西海岸の、BSR(ボブ・シャープ・レーシング)は東海岸のニッサン・オフィシャル・レースチームとして公認されていたが、プライベーターでも240Zを駆り、レースで暴れ回っていたチームはたくさんあった。1970年代にダットサンが人気だった要因のひとつは、車両が安価でありながら信頼性が高かったこと。そしてニッサンからのサポートが厚かったと言われている。公式チームのような予算は分配されないものの、彼らと分け隔てのないパーツ供給を惜しげもなく無償で提供した。その様子は『クリスマスのよう』と表現されたほどだ。フランク・ラリー率いるFogline Racingはカリフォルニア州のマウンテンビューに拠点を置いていたプライベーター。’70年代初頭からZでSCCAやIMSAにチャレンジし、遂には’78年のSCCAナショナルチャンピオンに輝いた実績を持つ。現車はそれより前、IMSA GTUクラスで活躍していた240Z。

 

1969 BRE Baja 510

バハを駆けた510 SSS

サファリラリーで4連続優勝するなど、日本ではラリーのイメージが強い510ブルーバードだが、アメリカではSCCAトランザムレースで活躍するサーキットの王者だった。しかしBREのピート・ブロックは「いい経験になる」と1969年に3台の510をメキシカン1000(バハ1000の昔の名称)に駆りだした事がある。その1台がご覧のマシンだ。車両はサファリラリーで鳴らした日本のファクトリーから供給されたもので、仕様もほぼ同じと言っていいだろう。またレースの参加に対してはラリー経験が豊富な日本人メカニックがサポートに付き、修理などのアクシデントに対応、ピートのマシンは4位でゴールした。現車はピート・ブロック自らがステアリングを握った車両。日本のから送られてきたマシンは右ハンドルSSSで、エンジンは1.6ℓのDOHCが搭載されていた。ご覧の通りただ軽量化しただけのボディでの完走に、510が持つポテンシャルの高さを実感する。

1972 DATSUN 240Z

ペースカーからレースカーへ異色の大変身

シャシーナンバーHLS30-120018のご覧の個体は、1972年にオンタリオ・モータースピードウェイで開催されたカリフォルニア500のペースカーとして、Zの生みの親である片山氏がもたらしたものだった。その後オーナーの変更によりスタイルもIMSA仕様に変わり、1979年から実際にレース参戦している。1979年には3戦、’80年に5戦、’81年に3戦を走り、最高5位入賞の実力を誇る。現在は新オーナーROB FILLER氏が所有し、北カリフォルニアのカネパが保管。毎年リユニオンで年1のレースを楽しんでいる。クロモリ製のチューブでガッチリと補強されたボディ。ボンネットに収まるのはL28改3.0ℓで、50φのソレックスをセットして320馬力。

 

1979 DATSUN 280ZX

4年間で36レース無冠のド根性ファイター

1980年から4年間にわたりIMSA GTUクラスで36戦を走ったマシン。製作&ドライバーは当時も今もチャールズ・モーガン氏。耐久レースを得意とし、セブリング12時間やデイトナ24時間には欠かさず出場してた。’83年のIMSAでラグナセカを走った4位が最高順位。

 

1972 DATSUN 610

超希少な現存610ブル

510に代わり1973年からボブ・シャープ・レーシングの主力モデルとなった610。この個体は前出のタレント、アダム・カローラが所有するダットサンの中の1台で、1976にチャンピオンカーとなるなど、ヒストリーもしっかりしている。8本スポークは当時から履いているミニライト・ホイールだ。エンジンルームに鎮座するのはボブ・シャープがモディファイしたL20B。キャブレターはミクニをツインで装着している。イジればすぐに速くなるダットサンのL型エンジンは4気筒、6気筒を問わずアメリカのレースシーンで圧倒的な人気を誇った。

 

1968 DATSUN ROADSTER

進化を続けるモダンクールなSRL311

ロサンゼルス在住のオーナー、マイケル・アンダーソンは大のSRL311マニア。自宅ガレージには現車を含め3台を所有している。このマシンは20年前からマイケルがヒストリックカーレースで走らせており、年を追うごとにモディファイが進行、現在はFRP製の軽量ボディに200馬力を発揮する2.0ℓエンジンが載せている。メーター類はオートメーターで統一。

 

1991 NISSAN 240SX

全米を巡る現役レーサー

LeitzingerレーシングによってIMSA Camel GTUクラスに出場していた240SX。ベースモデルは日本のS13系シルビアや180SXに相当するが、北米仕様には2.4ℓのエンジンが搭載されていた。現車の骨格はフルチューブで組まれ、ボディにも専用設計が与えられているが、唯一ルーフラインとテールライトにベースモデルの面影を見ることが出来る。このシャシーナンバーLR-001は1991年から’94年にかけて4年連続でシリーズチャンピオンを獲得した。また、今も年間10以上のレースに出場するなど、USニッサンの広告塔として全米を走り回っている。現役のレースマシンとして活躍しているため、インテリアはかなりイマドキ風にアップデートされている。KA24を廃しVG30をスワップ。最高出力は340馬力。ホイールはフロント:16×11J、リア:16×12J。

 

1967.5 DATSUN 2000 ROADSTER

究極のワイド&ロー

1970年代初頭からSCCAに参戦。“D”プロダクション、“E”プロダクション、“EP”プロダクションとクラスを換えながら’89年まで現役を貫いたマシン。’87年にはEPプロダクションでの優勝経験を持つ。レースのためにシェイプされ、肉付けされたボディは迫力満点。

 

ラグナセカは旧車天国

こんなもんじゃ無い。ラグナセカで本気の走りを実践する魅力的な旧車たちは日本車、ヨーロッパ車、アメ車を問わずまだまだたくさんいるのです。

例えば…………

ヨーロッパ車編

 

アメリカ車編

 

また別の機会にご紹介させて頂きます。

※アメ車編をアップしました。

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